はじめに
辞書と集合は、Pythonでデータを管理するための強力なデータ型です。辞書はキーと値のペアを保持し、集合は重複しない要素のコレクションを提供します。本記事では、辞書と集合の基本操作と使いどころについて解説します。
辞書の基本操作
辞書は、キーと値のペアを格納するためのデータ型です。キーは一意でなければならず、値は任意のデータ型にすることができます。
辞書の作成
# 空の辞書を作成
empty_dict = {}
# キーと値を持つ辞書を作成
person = {
"name": "Alice",
"age": 30,
"city": "New York"
}
辞書の操作
# キーを使って値にアクセス
name = person["name"] # "Alice"
# 新しいキーと値のペアを追加
person["email"] = "alice@example.com"
# 既存のキーの値を更新
person["age"] = 31
# キーと値のペアを削除
del person["city"]
# get() メソッドで安全に値を取得(キーが存在しない場合にデフォルト値を返す)
age = person.get("age", "Unknown") # 31
country = person.get("country", "Unknown") # "Unknown"
辞書のキーと値の操作
# キーの一覧を取得
keys = person.keys() # dict_keys(['name', 'age', 'email'])
# 値の一覧を取得
values = person.values() # dict_values(['Alice', 31, 'alice@example.com'])
# キーと値のペアの一覧を取得
items = person.items() # dict_items([('name', 'Alice'), ('age', 31), ('email', 'alice@example.com')])
集合の基本操作
集合は、重複しない要素のコレクションを提供するデータ型です。要素の順序は保証されません。
集合の作成
# 空の集合を作成
empty_set = set()
# 要素を持つ集合を作成
fruits = {"apple", "banana", "cherry"}
集合の操作
# 要素を追加
fruits.add("orange") # {"apple", "banana", "cherry", "orange"}
# 要素を削除
fruits.remove("banana") # {"apple", "cherry", "orange"}
# 要素が存在するかを確認
is_apple_in_fruits = "apple" in fruits # True
集合の演算
set1 = {1, 2, 3, 4}
set2 = {3, 4, 5, 6}
# 和集合
union_set = set1 | set2 # {1, 2, 3, 4, 5, 6}
# 積集合
intersection_set = set1 & set2 # {3, 4}
# 差集合
difference_set = set1 - set2 # {1, 2}
# 対称差集合
symmetric_difference_set = set1 ^ set2 # {1, 2, 5, 6}
辞書と集合の使い分け
辞書の使いどころ
キーと値のペアが必要な場合:例えば、ユーザー情報(名前、年齢、メールアドレスなど)を保持する場合。
高速なキーアクセスが必要な場合:辞書はキーによる高速なアクセスを提供します。
集合の使いどころ
重複しない要素のコレクションが必要な場合:例えば、一意なタグやカテゴリを保持する場合。
集合演算が必要な場合:和集合、積集合、差集合などの集合演算が必要な場合。
まとめ
本記事では、Pythonの辞書と集合について学びました。辞書はキーと値のペアを管理するためのデータ型であり、集合は重複しない要素のコレクションを提供します。次回の記事では、条件分岐について詳しく解説します。